草花を題材に、
墨と顔彩・雲母と箔を素材に、
越前和紙の里でつくられた襖紙に、
できるだけ描かず、
伸びやかな線・緊張感のある余白、
草花を配すことで生まれる空間が壁や天井に広がるよう、
あえて塗らず、
墨と顔彩の滲み・擦れ・溜り、
その時その瞬間だけの偶発的な表現を大切に、
なるべく控えめに、
金箔と雲母・光を受けて輝く素材、
見え隠れする光沢がささやかな驚きになるように、
素材の味で、
折り・畳み・絞りの紙の痕跡、
襖紙ならではの際立つ折り皺で陰影を折り込みながら、
襖・壁・屏風・住空間の背景として、
日々の暮らしに穏やかさと晴れやかさを添える、
そんな手仕事に思いを籠めます。